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えぇ、今晩は、小さなお客さん。
僕の名は、トレイキー。トレイキー・ストマタです。
竜族のセイレーン種。
さてこの島で暮らす竜はもう一種、サラマンダーたちがいますが、
彼らの最近のやり方は、えぇ、目に余るものがあります。
サラマンダーたちの、反猫感情は年々高くなっているようですが、
彼らは、大昔自分たちがトーテムだった頃の幻想に、未だ囚われていますね。
えぇ、この島の近代化は彼らにとっては理想との乖離。
だからといって、無闇に焼身してもいい方向には進みません。
猫族は特に、無思慮で激情的なパフォーマンスは敬遠するでしょう。
ぇぇ、確かに僕たち竜にとって、だんだんと住み難くなってきたかもしれません。
空は飛行船の航行が優先され、竜が自由に飛ぶことは厳しく制限されています。
でもそれが限界だと言うならば、去るのは僕たちのほうですよ。
ええ、竜がいつまでもこの島に固執する必要は無いと、僕は思うんです。
でも猫族にとっては違うでしょう。
かつての大きな戦争で、世界に広く分布していた猫族の9割が絶え、
生き延びた猫たちにとって、ここクォーツアイランドこそ最後の楽園なんですから。
少数民族となった猫たちですが、強大な科学力でこんな世界一の先進国家を維持しています。
ええ、今や世界に対する影響力は、猫のほうが竜よりはるかに上。
どんな竜でも到底届かない高さまで飛ぶ飛行船を作り上げてしまう猫族を、
僕はひそかに尊敬しているんですよ。
それから、、、サラマンダーたちの言うことは鵜呑みにしないように。
かの20年前の惨事。一頭のサラマンダーと大型飛行船が衝突し多くの命が犠牲になりましたけど、
一方的に竜が非難され、竜への迫害が激化したと、サラマンダーは抗議し続けています。
僕たちセイレーンが独自に調べたところ、あれば事故ではなく故意だという可能性が濃厚なんです。
若いサラマンダーの自爆行為、というわけなんですけれども、
しかし猫側はあくまで、サラマンダーの過失による「事故」だと公表している。
ぇぇ、まぁ、僕たちの調査が絶対だと言うつもりはありませんが、
僕が思うに、猫族の中の竜信仰が、まだわずかでも残っているんじゃ無いでしょうか。。。
猫族の一番古い神話の最終章に、竜が火の玉となって空の島と落ち、地上の終わりを告げる。
という一節があるんです。。。
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